亡き祖父のフィルムカメラ「YASHICA minister-D」半世紀の時を超え蘇る

体験

実家に約半世紀眠っていたフィルムカメラのお話です。


10年前に私の祖父が亡くなり、その際にこのカメラの存在を知りました。
当時はただ『珍しいオーパーツ(死語?笑)を発見できた!』程度にしか思わず、またすぐにその存在を忘れてしまったのでした。

そんなある日のこと、ミーハーな私は昨今のレトロブームの折に触れ、このカメラの存在を再び思い出します。
結論から申しますと半世紀の間ノーメンテナンスだった祖父のカメラ、ほぼ完全復活いたしました。

亡き祖父の一部が生き返ったようで私だけでなく母や祖母も喜んでくれました。
思いがけず感動的な経験ができたことに感謝しつつ同じように冬眠中のフィルムカメラたちが一台でも生き返ればという思いを込めて、また備忘録としてここに蘇生方法を記します。

亡き祖父のフィルムカメラ「YASHICA minister-D F2.8」
実際に撮影した上野駅前の交差点

YASHICA minister-D どんなカメラ?

まずは祖父のカメラの情報を簡単にお伝えします。

YASHICA?

YASHICA(株式会社ヤシカ)は戦後の1949年から1983年まで長野県にあったカメラのメーカーです。
残念ながら会社自体は1975年に経営破産してしまったようですが、『ヤシカブランド』はその後、京セラ→香港メーカーへと引き継がれ現在も活躍されているようです。

minister-D ?
  • 発売: 昭和38(1963年)なので元祖YASHICA製、ということになりますね。
  • レンズ: ヤシノン45mm F2.8(3群4枚)。レンズは交換できないタイプですね。F1.8モデルもあるそう。
  • フィルム:135mm。最も入手しやすいタイプで助かりました。
  • シャッター: 1~1/500・セルフタイマー機能あり←驚き、、!・LV式(これがヤシカ特有の形式だそう、、、。後日まとめてみたいと思います。)

ざっくりこんなカメラです。

さて、本題。復活までのロードマップ

お待たせいたしました。
今更ですがこの記事は私がそうだったようにフィルムカメラを触ったことがない、右も左もわからないカメラを授かった御子孫の方向けです。

その1 フィルム現像を行なっているカメラ屋さんに持っていく

なんだか拍子抜けされそうですがとても大切なステップです笑。

フィルムカメラを使い慣れている方が周りにいない場合には
ご自宅でフィルム室(フィルムを入れる部分)を開かない方が無難かと思われます!
もしも撮影用フィルムが使用途中のまま残っていた場合、適切な取り出し方をしなければ全て現像困難となる可能性があります。

私の場合、両親ともフィルムカメラを使用したことがあったのですが、それでも最後にフイルム室の蓋を開ける勇気が出ず、結局カメラ屋さんに持ち込みました。(結果、残フィルムはなし。笑)

私がお世話になったのは、天下の【カメラのキタムラ】大先生です。
実際に現像を行っている店舗を選ぶと扱いに慣れたスタッフさんも多いため安心かと思います。
万が一フィルムに光が当たらないよう暗幕の中で作業をしてくれました。
とても親切に対応してくださり感謝しております。。

ピカピカに蘇ったminister-D

その2 一度しっかりとメンテナンス!

何を隠そう、半世紀の間眠っていたカメラです。付属していた専用の革ケースはカビていましたし、カメラ本体もかなり汚れていました。また、フィルム室の状態も素人目には判断もつかず、【その1】のながれでそのままクリーニングも依頼しました。

ただ、実際に使用できるかわからないのにメンテナンスは勿体無い!と思う方はまず先に動作チェックを行うのもありかと思います!!その場合は先に【その3】へ。

見違えるように綺麗になり本当に満足しています。やはりプロの技ですね。

【その1】までは無料で見てくれます。
この際に、基本的な部品が問題なく作動しているかも合わせて確認してもらうと良いかと思います!
クリーニング料金にかかった料金はこちらです。

クイックメンテナンス「ボディ外観清掃」税込1,100円

その3 いざ撮影! そして現像! 

いよいよ撮影です!

撮影方法に関してはまた詳しく、後日まとめたいと思います!

まずはフィルムを購入しましょう。
詳細は省きますが初めての1本は135mmサイズのものからこの2つのどちらかが良いと思います!

  • KODAK UltraMAX 400青の発色が美しく出ることが特徴的なフィルム
  • FUJIFILM 400ナチュラルな色合いと滑らかな階調が特徴的なフィルム

理由としてはどちらも比較的安価こと(それでも1600〜2000円ほどしますが、、-2024年現在
400という数字はISO(感度)の値です。ざっくり説明すると写真が明るく仕上がるか暗く仕上がるかを決める数値です。

一般的にフィルムは大体100-400辺りが入手しやすいです。
400と言いますと明るい室内や曇りの日の野外でも使用できる汎用性の高いクラスといえます。

初めから晴天の日の外だけで撮りたい!と決めている方はISO100や200のフィルムを選んでみても良いでしょう。

フィルムを撮り切ったらフィルムを巻き上げてカメラから取り出し、再び現像を行なっているカメラ屋さんに持ち込みます。

カメラのキタムラの場合現像にかかる費用は全て税込で以下の通りでした!

  • ネガカラー現像:950円
  • スマホ転送:880円 ←絶対におすすめです!SNSへのアップなども簡単に行えます!
  • スマホ転送・高画質:1980円

まとめ

まずは、何はともあれお近くのカメラ屋さんで状態を見てもらうことをお勧めいたします!

今回長くなってしまったので説明を省きましたが、実際にこのminister-Dちゃんをどのように動かせば良いのかもまとめたいと思っています!

いつでも簡単に写真を残せる時代になりましたが、思い出を残す力で言えばフィルムカメラもまだまだ負けていないと思います。

少しだけ他の写真もどうぞ。

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